プロ弁護士の思考術 その7【最終回】
『プロ弁護士の思考術(矢部正秋著)』も無事に第7回、最終回を迎えることが出来ました。
マイペースではありますが、まずはひとつ最後まで出来たことは自分の自信になります。
これからもっとたくさん書いていこうと考えております。
さて、第7章は「今日の実りを未来の庭に植える」です。
①.この章の内容をざっくりと(インプット)
・目の前で起こっている現象はまさに「氷山の一角」。
・その事象ばかりでなく、背景や理由を追え。
→事象はある日突然起こるのではない。今までの蓄積がある。
・「局地」も「全体」も見る。局地だけ最適化しても意味がない。
②.本に書かれていた事象の紹介
ある従業員が昼休みに副業(オリーブオイルの輸入販売)をしているらしい、という相談を受けた。
実際に昼休みにオリーブオイルのサイトを見ているという報告も多数ある。
この事案を若手の弁護士に任せると、「副業をしているという具体的な証拠を押さえ、それに基づいて処分する。ただ、昼休みにやっていることなので懲戒処分まではできないだろう」と考える。
しかし、その事象のもっと深いところまで考えれば、「会社の金を使って副業をしているかもしれない」と考えることもできる。
そこで、
・交通費、出張費の明細を確認し、どこで誰に会っていたのか?を確認する
・会社貸与のPCのアクセスログや携帯電話の使用履歴を確認する
ことで、この従業員が今まで何をやってきたか?を確認することができる。
調査を進めるうちに、副業の為だけに出張したり、コンペに参加したり、と証拠が挙がってきた。
深く追及することもできたのだが、この従業員が退職届を出してきたので、退職金なしで合意をした。
③.この事案に対する所感
個人的にはやりたくないんだけど、人は自分の都合を優先させるために平気で嘘をつく生き物なので、まずは疑ったほうがいいのだろう。その疑いが違ったものだとしても問題はないのだから。疑わずに事故るよりは格段によい。
この章のアウトプットは以上です。
最後にこの本から得たことことと感想を書いて終わりたいと思います。
【得たこと】
事象は複雑な要素が絡み合って現れる。
その表面的なところだけを見るのではなく、個別具体的に背景も踏まえて考える。
このときに「まさかこんなことはないだろう」とか「こういう場合もあるのでは?」とか「全体から見るとこの事象にはどんな意味があるんだ?」とか考えないとならない。
【感想】
著者である矢部弁護士のご経験を基に、具体的な事例が豊富に書かれていたので、非常に理解しやすかった。
私のように「なにか単純に考えすぎてないか?」とか「いつも上司に指摘されるなぁ」と悩んでいる方はぜひ一度読んでほしい本です。