プロ弁護士の思考術 その6
『プロ弁護士の思考術(矢部正秋著)』についても残り二回となりました。
そろそろ次のネタも考えておかないと、ってころですね。
第6章「「考える力」と「戦う力」を固く結ぶ」を読んで得たことを。
①.この章の内容をざっくりと(インプット)
・裁判では「正しいもの」が必ず勝つわけではない。
→民事裁判の目的は「紛争解決」であって「真相解明」ではない。
裁判官に「これはどうやら本当のことだ」と思わせたほうの勝ち。
真実と異なることも証拠があれば「正しい」となる。
・紛争を解決する=強硬姿勢を貫く、ことではない。
友好的に解決できるのであれば、そちらから選択する。
・相手は勝つために卑怯なこともしてくる、と備えておく。
・紛争解決は長い時間を要する。場面ごとにどの策が一番良いかを考える。
②.内容を活かすために(アウトプット)
私は法務も担当しているが、裁判で紛争を解決したことなんてない。
(労働審判ぐらいなら経験はあるが…)
「戦う場面」といったら、契約書の内容修正のための交渉や、クレームを友好的に解決したぐらい。
なので、今回の話をそのまま活かすことができないのだが、面接を戦う場面として考えると、活かせそうなところがある。
まず、候補者は面接ですべて話すわけではない。
紹介会社や人材コンサルの入れ知恵もあるのだろうが、事実の一部を切り取って話してくる。
例えば、よくあるのが、「前年度売上の120%達成」。
これだけだと、自分の力だけで成し遂げたのか、たまたまそうなったのか、まったくわからない。
どのようなことを考えて行動したのか、そのときの背景(特需があったのかどうか?など)を聞いてみないと間違った判断をする。
次に、候補者は、自分に都合の悪いことは言わない。
後になって発覚しても「聞かれなかったから言わなかっただけだ」と必ず言う。
書類に書かれていないことを面接で聞かないと事故る。
不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまう。
いや、聞けばよかっただけだから、不運(ハードラック)で片づけてはいけない。
③.本当の「戦う力」を身につけるために。
1).
面接をするときに「候補者がこれを言ってはダメだ」という基準を決める。
例えば、やってもいないことをやった、とか。
2).
書類に書いていないこともしっかりと確認する。
書類に書いていないことで候補者が隠したいことをあぶりだす。